原色を撒き散らす箱からは
悲劇の物語が溢れていて
私は偽りの涙さえ流せずに
カラーバーだけを見つめてる

脳裡に灼きつくのは
遠ざかる君の背中
物わかりのいい女も
悲しみに浸る少女も
演じることができなくて

下手なドラマが打ち切られるように
棒読みの女優が消えゆくように
いつまでも仮面を被れぬ私は
右手に光を握ってしまう

スイッチオフ




Oct.6,2014