頬をそっと撫でる指は
踊るように拘束する
ひとつ雫を垂らして
舌も融ける愉悦を

手首を絡めとる甘い腕は
この掌を穿つ楔
耳から滑りこむ脆い声は
引きずる足を苛む鎖

閉ざされた世界で
何もかもを手に入れて
口に含む痛みさえ
砂糖菓子のよう


Apr.3,2014